日常エッセイ:夕暮れのバタバタの中で見つけた“静けさの瞬間”

日常の雑談

夕方の時間帯は、一日の中でももっとも忙しさを感じやすいと言われています。
私の家でも例外ではなく、17時を過ぎたあたりから、部屋の空気がふわっと慌ただしくなります。

子どもはお腹を空かせて「まだー?」と何度ものぞきにきて、
私は冷蔵庫を開けたり閉めたりしながら「何作ろう…」と考え、
洗濯機の終了音が鳴り、スマホには今日中の返信が必要なメッセージが届いている。

ほんの数分前まで落ち着いていたのに、
一気に“夕方スイッチ”が入って、心も体もせわしなく動き始めます。


■ 忙しさよりも“気持ちの切り替え”が難しい夕方

夕方が特別に忙しく感じる理由は、
実は“作業量そのもの”ではなく、気持ちの切り替えが難しい時間帯だからだと最近気づきました。

昼間の仕事モードのまま家に戻ると、
家の音が全部“タスク”に聞こえてしまって、
一つひとつの行動が「早く終わらせなきゃ」と焦りに変わります。

頭がまだ仕事のことを考えていると、
子どもの呼びかけも、機械の音も、SNSの通知も、
同じ“ノイズ”として受け取ってしまう。

すると何気ない家事が、急に大仕事に感じられるんですよね。


■ 深呼吸ひとつで、夕方に“区切り”がつく

そんなとき、最近試していることがあります。
それは、キッチンの前で立ち止まり、深呼吸をひとつすること

驚くほど簡単なのに、これが効くんです。

息を吸って、ゆっくり吐き出す。
たったそれだけで、気持ちがふっと緩む瞬間があります。

「よし、今からは家の時間」
そうやって心のスイッチを手動で切り替えるような感覚。

すると、夕飯づくりも急がず、
子どもと話す余裕も少し戻ってきて、
部屋の音が“ノイズ”から“生活の音”に変わります。


■ 子どもの一言に気づかされる、大人の余裕

先日、いつもより落ち着いて料理をしていた日のこと。
子どもがふと、こんな一言を言いました。

「今日のママ、やさしいね」

びっくりしました。
特別なことは何もしていないのに、
たった深呼吸ひとつの違いで、こんなふうに伝わるんだなと。

子どもは、大人の空気の変化を本当に敏感に感じ取るんですよね。
こちらが余裕を持てば、子どもにも自然とその空気が伝わる。
改めて、暮らしの中で一番大事なのは“心の余白”なんだと思いました。


■ 小さな“余白づくり”を習慣にしてみる

深呼吸だけでなく、最近は夕方のどこかで
3分だけ手を止める という習慣も始めています。

・部屋の窓を少し開けて空気を入れ替える
・飲み物を一口ゆっくり飲む
・次の作業に入る前に、手を止めて伸びをする

ほんの数分なのに、“自分に戻る時間”ができる感じがします。

夕方のバタつきがゼロになることはないけれど、
その中にちいさな丸い空間のような“余白”があるだけで、
気持ちがずいぶん違うんですよね。


■ 今日もまた、同じように暮れていくけれど

夕方の空は毎日同じように見えるけれど、
心の状態によって見え方はまったく違います。

急いでいるときは気づかなかった空の色や、
料理の匂いや、子どもの話す声が、
少しの余裕ができるだけで豊かに感じられる。

暮らしって、特別なことよりも
**“何気ない時間をどう感じるか”**で大きく変わるんだなと実感します。

今日も少しバタついたけれど、
深呼吸のおかげで救われたような気がしました。
そんな小さな気づきを、これからも丁寧に拾っていきたいと思います。

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